というワケで、アバド以上に「本当に来るんでしょうね?」感が強かったアーノンクールがとうとうサントリーホールのステージに立ちました!
正直、それだけで感動しているという(^^ゞ
サントリーホール20周年記念フェスティバル公演 ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2006 第一生命105周年記念 ニコラウス・アーノンクール指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2006年11月3日(金・祝)15:00開演 ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調
ステージを見渡すと、かなりの数のイスが並べられているので大編成という事はすぐに分かるのだが、先のアバド/ルツェルン祝祭管のマーラー6番が壮絶な人数だったので(床を見るのが困難なくらい)、それに比べればマトモな大編成。そう考えると、ルツェルン祝祭管は凄かったなー。
定刻をちょっと過ぎてメンバー登場。
いきなりタコおやじキュッヒルが先頭で出てきたのでワロス。普通はコンマスは最後に出てくるだろうに。
その後、いよいよアーノンクール氏登場。
ちょっと前かがみだが、そんなに老けているような感じでもなく。そしてサッと指揮台に・・・
と思いきや、キュッヒルの肩をポンと叩いて、用意してあったイスに着席。
何かと思ったら、この後、VPO楽団長のクレメンス・ヘルスベルクのお話があった。そうか、それでキュッヒルが最初から出てきたのだな。
サントリーホールの創設者である佐治敬三氏の命日という事で、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を演奏。しかも、「あれ、浦野さん!?」と思ったら、合唱がBCJのメンバーだった(笑)。いやぁ、意外なところでお会いしました!
モーツァルトだからノンビブラートかと思ったら、左手揺らしまくり(笑)。でも、綺麗なモーツァルトでした。
そして、メインのブルックナー交響曲第5番。
いやー、これがもう、実にヘンな感じで。しかも、良い方に。
CDでは殆ど楽しめる事の無かった5番だけれども、「今回は生で聴くからなー」と思って何回か予習してたら割と気に入ってしまったという事はあるのだが、チケットを入手した当時の微妙な期待度から比べたらはるかに良かった。
アーノンクールといえば恣意的な音作りと、非常に作為的なにおいのせいで、全然楽しめないCDもあるのだけれど、そういうワケで「どーせだったら一番ワザとらしそうな物を」と思ってブル5のチケットを取ったワケですよ。その方が「アーノンクール」という指揮者を味わえるじゃないですか。
ちなみに、そうでなくウィーン・フィルのチケットを取るとしたら11/8のシューマン「ライン」を聴きたかったかな。
再び登場したアーノンクール。指揮台が元々用意されておらず、指揮棒もない。この辺はさすが古楽あがり(笑)。
第一、第二楽章ではCDで聴いていた音と音色は同じながら、よりデフォルメされたかなりワザとらしいブルックナー(笑)。真性ブルオタが何の予習もせずにいきなり聴いたら怒るかもな、こりゃ。
しかし、音の強弱の付け方が極端とか、タメが深すぎるという事はあるものの、スケールの大きさは想像以上。そもそも、「ブルックナー休止」や「ブルックナー開始」といったもともとブルックナーらしい面を強調しているだけなので、慣れると全くヘンではない。むしろ、そこにブルックナーらしさを感じてしまうという。
第二楽章は思ったよりも早く進んでいき、そのせいか第一ヴァイオリンのフォアシュピーラー(誰?)が弦をブチ切らせて予備のヴァイオリンで弾いていたのがワロス。
今回は1Fの端っこのA席にいたのだが、「雨宿り席かよ〜」と思ったら、間一髪青空を見上げられる席でした。端っこなので音の分離感はあまり良くないが、思ったより音の厚みも感じられるので良い。以前に1F後方の雨宿り席で聴いたら音がのっぺりしてあまり楽しめなかったからなー。
そんなワケで、そんな早い第二楽章でも弦の響きは十二分に堪能できた。家でこのCDを聴くと硬質な面が目立って耳障りだったりするのだが、さすが生のウィーン・フィルは違う。できればA席だったらLBブロックかRBブロックで聴きたかったけど。(昨年はRBで音響的には全く問題が無かった)
実に丁寧に指揮していた第一、第二楽章とはガラリと変わって、第三、第四楽章では前のめりに音が進んでいく。いきなり勢いが出てきてビックリ。
それでも緩急自在に強弱を付けて行くスタイルは変わるはずも無く、途中でホルンがコケそうになったのも聴きつつ(笑)、何が凄いって演奏が荒れだしている印象なのに崩れはしないんだよなー。去年は完璧な楽団だと思ったのに。いや、荒れているのに崩れないのは凄いのか!?どっち!?
そんな勢いで飛ばしつつ、第四楽章に突入すると燃焼度がさらにヒートアップして、アーノンクールってもっとクールな人かと思ってたのだが、いやぁ、熱い!熱い!完全に音のるつぼと化して、物凄いフィナーレを迎えました!
で、終わってから考えると、アーノンクールという指揮者を存分に味わった感はあるのだが、「でもこれはブルックナー?」、「今のはウィーン・フィル?」と思ったりしつつ、しかしこれがブルックナーでなくて何なのだ!ウィーン・フィルじゃなくてこの演奏ができるものか!なんか、「ヘンな演奏」を期待していたのに、実はすごく感動しちゃってるところがやっぱりヘンというか・・・って、書いてて分かんなくなっちゃったじゃんかよぅ!
アバド/ルツェルン祝祭管では、「オケが豪華で凄いなー、このオケを操れるアバドは凄いなー」という感じだったのだが、今回は「アーノンクール凄いなー、これに付いてくるウィーン・フィルは凄いなー」という全く逆の印象であった。
しかも、アバド/ルツェルン祝祭管のブル4と、アーノンクール/ウィーン・フィルのブル5とでは、今回の方がブルックナーを強く感じてしまったという。
恐ろしや、アーノンクール。
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