そんなワケで、遠路はるばる横浜のみなとみらいホールへ。横浜は遠いのに、ナゼか行ってしまうんだな。ちょっとだけ近い川崎ミューザには行ったことないのに。アレか、昔、ハマヘルに通ってた頃のDNAがそうさせるのか!(←謎)
今回はマリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の公演。
プログラムは以下。
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(ピアノ:イェフィム・ブロンフマン) ・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
昨年はロイヤルコンセルトヘボウ管と来日して、ベートーヴェン、ブラームスの交響曲第2番を堪能させてくれたが、今回はもう一つ首席を勤めるバイエルン放送響との来日。プログラムはありがちだけど、「これで外したら大変なことになっちゃうようねぇ」的な名演間違いなし演目なので、ボクは期待しちゃうんです。
(本当はストラヴィンスキー「火の鳥」とベルリオーズ「幻想交響曲」聴きたかったけどさ。)
今回は座席が1階の最前列。1stヴァイオリンの目の前。ピアノの「STEINWAY&SON」の文字も良く見える。
ブロンフマンとヤンソンス、仲良く登場。ブロンフマンはもうおっさんなハズだが(50くらいだったかな?)、なかなかキュートな顔のおっさんで、とてもいい人そう。「ブロンフマンのおじちゃんにピアノ習いにいこーっと!」と言いたくなるような。
そして演奏が始まる。
よく聴きなれたピアノ協奏曲の印象的なイントロ・・・
昨年は初めてのクラシックコンサートという事で、最初の一音を聴いただけで感極まって目頭が熱くなったが、今回もまるでそれを回想するように熱いものがこみ上げてくる。
ブロンフマンのピアノがルックスに似合わずこれまた凄い(ルックス関係ないね。ごめんね)。男性ピアニストらしい太く強い音が目立つが、全くうるさいとは感じず、むしろ暖かささえ感じるのである。ブロンフマンも靴底をガンガン床に鳴らして(最前列だから聞こえちゃうのよ)大熱演。
CDではアルゲリッチ盤が女性的な繊細さで最高と思うが(繊細なだけではないがCD評じゃないのでここでは省略)、男性的なチャイコフスキーとしては今、目の前で繰り広げられている演奏が最高なのではないかー!
昨年はヤンソンスが曲中だというのに「ウーウー」唸ってリズムを取っていて 、これで世界の有名オケからひっぱりだこというのだから凄いおっさんだなと思ったが、今回は案外大人しい・・・と思ったら、やっぱり地味に唸ってた。唸り声の隠し方が上手くなったんだろうか、ヤンソンス。まぁ、これを聞くと「ヤンソンスだなぁ」と思うのでいいけど。
途中で、「ブヒャッ」(←文字にするのが不能な音)という異音がする。 「演奏中に弦が切れた」なんて話も聞くので、ひょっとしてそういう珍しい光景に出くわしたのではないかと期待して見ると、1stヴァイオリンの奥の方のお兄さんが大きなくしゃみをした模様。すかさず鼻を押さえてました。風邪気味なのかな?お気をつけて。
最前列だけに目の前の1stヴァイオリンの音色がダイレクトに伝わってきて素晴らしい。低音弦は音像がかなり遠くこもった感じで、なおかつ更にこもるホルンと同時に音が出ると、チェロの音がホルンに被さってしまうというちょっと難アリな座席状況だったが、フルートは大変美しくて痺れた。
とても素晴らしい、ピアノ協奏曲だった。
・・・と書きたい所だが、隣に座っていた1階1列10番のボケサラリーマン(大きなリュックを背負ってたので田舎もんか?)がコソコソとデジカメをいじってるのが目に付いて非常に目障りでムカつく。隠し撮りでもしてるんだろうが、やるならもっと上手くやればいいのに。殺そうかと思ったが、身も心も仕事もアダルトなボクは1曲目終了後にやんわりと注意をしてさしあげる。そいつは分かったような顔をしていたが、最後までデジカメを気にしていたようなので、おそらく相当頭が悪いか、日本語が通じないんだろう。やはり、殺しておけば良かったか。
何度目かの拍手の後、ブロンフマンだけ登場して、下画像の通りソロでアンコールを弾き始める。ピアノのことなど何も分からないのにピアノ曲好きなボクとしては、「あらヤバイですわ、ブロンフマン好きになっちゃうかもぉ」な好演。音が無機質に聴こえないというのが何よりも良い。
後半はショスタコ5番。 マリス・ヤンソンスのお父上であるアルヴィド・ヤンソンスもレパートリーにしていた曲であり、かつマリスが現在バイエルン放送響とショスタコチクルスを進行中なので、既に十八番といえるかも。
編成がググッと増えて、イントロだけでも音の厚みの違い(主に弦楽器)に驚く。音の聴こえ方はチャイコンで書いたのと同じような感じだが、楽器が一斉に鳴った時の低域のごちゃ混ぜ具合がなんとも惜しい。これはきっと最前列だからなのだろうが。15列目くらいで聴いてみたいものだ。それと、ハープの綺麗なお姉さんが見えないよ(><)
それ以外は完璧。
熱く、そして大きな身振り手振りで指揮をするヤンソンスは昨年見たのと変わらないが、ロイヤルコンセルトヘボウ管が「楽団の伝統を尊重」したような音なのに対し、バイエルン放送響の方が「マリス・ヤンソンスそのもの」のような気がする。といっても、なにせあのバイエルン放送響だからドイツオケらしい剛直さはあるんだけど。ドイツオケだと「剛直」とイメージしてしまうのは何でだろうね。実際にそうだから間違ってはいないんだろうけど。
最終楽章では例のティンパニの部分は比較的遅めのテンポで、「ああ、最近はみんなこうなんだよな」と思ってたら、以降の加速がえらい速い。スラッシュメタルの領域だ。凄すぎてのけぞった。先述の1stヴァイオリンの鼻みず兄さん(勝手に命名してスマソ)も息が苦しいのか口を半開きにしつつ、猛烈パッセージ。その姿を見て、意味も無く大感動!!!凄いよ、鼻みず兄さん!!!(←だから失礼だってば)
無事フィナーレを迎えて、大きな拍手の嵐の中、楽団員は「弾ききったぞ!」というようなご満悦な表情。そりゃ、そーだよなー、凄かったもんなぁ。
何回目かの拍手の時、最前列の1stヴァイオリンのおじさんと目が合う。なにしろ最前列同士だから目が合うのも無理も無い。目線をそらすのもなんだからちょっとだけ愛想を振り撒いてしまうボク。ヴァイオリンのおじさん、微笑。恋の芽生える予感(ウソ)
アンコールでは聴きたかった「火の鳥」も少しやってくれて、更に満足。これがまた凄い迫力で、確か昨年もブラームスの「ハンガリー舞曲5番」で大きなシンバルの音を轟かせていたので、大きな音で終わらせるのが好きなのかも。 てゆーか、最後まで聴きたいぞ。
楽団員がステージを去ったあと、拍手に呼び戻されて再び舞台に表れるマリス・ヤンソンス。(ここでも写真を撮ってるバカがいたが、予想される事態なのでホール係員が今後見張りを付けるべきだ。一眼レフまで用意しているジジイもいたし。何しに来ているのであろうか)
周りにバカが多くて情けない気持ちになりながらも、演奏は最高、今年もマリス・ヤンソンスに会えた喜びを噛み締めて帰宅の途に着くのであった。
で、来年はまたロイヤルコンセルトヘボウ管と来るんだよなぁ!行きたいなぁ!

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